BDCとは?

BDCとは、米国の投資スキームの一つである「Business Development Companies」の略です。
米国で経済の中核を担う、未上場の中堅企業や新興企業等に対して資金供給を進めるために認められた法人です。

形態としては、一定の期間途中の解約や換金ができないクローズドエンド型のファンドです。クローズドエンド型と言っても米国の取引所に上場しているため、通常の株式と同様に単位株で売買することができます。中小企業への融資から得られる利子収入や値上がり益などを主な収入源としますが、それだけでなく投資先の経営支援も提供しています。

※BDCは、米国において1940年投資会社法(Investment Company Act of 1940)を根拠法として設立された中堅企業や新興企業等の事業開発を金融面及び経営面からサポートする投資会社のことです。1980年に、中小及び新興企業への資金供給等を促す目的で誕生したもので、ニューヨーク証券取引所やナスダック証券取引所に上場しています。

高利回りのワケ

投資家への配当については、利益の90%以上を投資家に配当として分配することで、内国歳入法上の規制投資会社として扱われ、法人所得税を免除されるため、BDCへの投資家にとっては比較的高い配当収入が期待されます。また、投資家にとっては、証券取引所に上場しているため、個人投資家でも新興企業に少額で投資が可能となります。

BDCの役割拡大の背景

米国の金融危機以降、米国主要銀行は、国際的な自己資本比率規制(バーゼルⅢ)を達成するために、リスク資産である融資の見直しを進め、格付けのない中堅企業向けの融資を抑制する傾向にありました。大手の企業向けに大口融資を引き受けるためのコストや手間は、小口融資を引き受ける場合と差がないため、大口融資を引き受けることとなりました。
このように、多くの商業銀行が融資業務を縮小してきたため、大手銀行が取り扱わない中堅企業向け融資に特化したBDCのようなノンバンクが参入する余地が拡大しました。

融資先の一例

BDCが融資を行う中堅企業は、ニッチな強みを持つ製造メーカーや、米国内で営業基盤を確立しているサービス業、米国全土の大手企業等にサービス提供しているWEB教育ツールを提供する会社、一部の地域や分野に特化した医療サービス会社などがあげられ、非上場の外部格付けを取得していない企業が主になっています。