Message from CEO

ユーザーファーストで今までにない証券サービスを生み出す。
PayPay証券の挑戦。

番所 健児(ばんしょ けんじ) PayPay証券 代表取締役社長 執行役員 CEO

新卒でカード会社に入社し、その後ネット金融企業に転職。事業開発や経営企画、M&A領域のキャリアを経て、2016年にソフトバンクに入社。PayPayの創業などフィンテック領域の新規事業開発で中心的な役割を担った。22年6月にPayPay証券の代表取締役社長に就任。

番所さんご自身について教えてください。

なぜ金融の業界に?

正直金融業界に対する動機が強かったわけではないんですが、大きな業界で、でも変化が身近に感じられる分野が良かった。私が新卒だった時代は、一般的に金融業界といえば銀行のイメージだったように思います。私は、人がやっていることを真似してやるというのは性に合わないから、身近でかつ成長の余地がある決済・クレジットの領域に目をつけました。当時はクレジットカードのEMVチップが話題になっていて、セキュリティ強化のほか、今でいうスーパーアプリ化構想の発端になるような「決済を中心に暮らしを豊かにしていく」ためのアイデアが模索されていた時期でした。当時、日本のキャッシュレス比率は海外と比較してもまだまだ低く、今後必ず伸びてくる成長産業であるし、リテール金融のフロンティアだと思って飛び込みました。 ただ実際に当時のクレジットカード業界に身を置いて感じたのは、決済の市場は成長しているのに、ビジネススキームが決まっていて、装置産業的で、なかなか変わっていけないという違和感。 ここから飛び出そうと決意し、当時ネット金融の中でも国内で一番勢いがあった会社に転職しました。未経験のことが多く大変でしたが経営企画やBizDev領域、投資の経験など幅広いスキルと、新規事業をやる上で大切な、やりきるガッツやマインドを身につけることができたと思います。各事業の社長や経営陣の方々と仕事をする機会も増えてきた中、自分が中心となってもっと大きな事業を動かしたいという想いが強くなり、当時、フィンテック領域の新規立ち上げを企画していたソフトバンクに入社を決めました。

PayPay・PayPay証券の立ち上げ

ソフトバンクでは、幸運なことにPayPayの立ち上げにも関わることができました。海外の先行事例をベンチマークに、PayPayを中心とした決済金融のエコシステムなど戦略を構想する中で、当時から資産運用領域の大切さをずっと感じていました。 そのような中で、PayPayは一層速度を上げ、あっという間に国内最大級の決済プラットフォームに成長し、金融領域取り組みの強化が話題になっていきました。私は、ソフトバンクとみずほフィナンシャルグループの金融領域における包括提携を担当することになり、モバイル証券事業の領域を強化するために、2021年2月にPayPay証券が誕生するに至りました。自分がその推進の責任者でしたし、自ら描いた戦略を実際に自ら推進できる貴重な機会と思い、社長をやりたいと自分で手を挙げました。 資産運用事業は、投資信託の積立に代表されるように、基本的にはお客様と長い関係を築いてお金を増やすことを担う事業です。PayPayはすでに国内で6,500万人(2024年8月時点)のユーザーを獲得していますが、これからはアクイジションだけではなく、リテンションを保つことが大事であり、マネタイズを強化し事業を成長させるフェーズに移っていくと思います。金融エコシステムのなかで、お金を預かり増やす資産運用事業の重要性もまた高まっていきます。

目指すのは、「自ら動く」経営者

経営者としては、何よりも「自ら動く経営者」でありたいと思っています。これまで様々な企業のアントレプレナーやCXOの方々に出会い、座して待つ姿勢ではなく、自ら動いて誰よりも事業を理解し、自分たちがやっている事業の状況と目指すビジョンを、堂々と語ることができる姿に感銘を受けたことを覚えています。自分もそうありたいと強く思いますし、社員に対しても、私はここから新しいサービスで飛躍的に成長する戦略を実現する当社の第二の創業の創業者であり、アントレプレナーシップを持って事業を運営する覚悟で臨んでいると伝えています。

目の前の仕事に真剣に取り組む

私自身のこれまでを振り返ると、何か大それたビジョンを掲げてキャリアをスタートしたわけではなかったですし上手くいったことばかりではありませんが、出来たことも出来なかったことも含めて、自分の大切な人に、胸をはって言えるような働きをするということだけはずっと念頭に置いて仕事をしてきて、目の前のことに真剣に取り組んできた結果が今に繋がっているなと思います。 経営者になってからは、「鳥の目、虫の目、魚の目」と例えられますが、俯瞰して大局をとらえること、複眼で見て多角的に評価すること、トレンドを見てこの先の変化を想像すること、そして目の前のことに真剣に取り組み、リーダーシップを発揮することを強く意識していますね。

PayPay証券が目指すものを教えてください。

日本の資産運用の構造を本気で変えたい。今ここからがスタート地点。

自分たちが目指したいものに対して、今ようやくスタート地点にたったという感覚です。PayPayと連携をして顧客獲得するための体制が整いつつあり、金融エコシステムの重要な一角を担っていく基盤ができてきました。決済のアプリ上で資産運用ができる「PayPay資産運用」(*1)の仕組みを日本初の取り組みとしてスタートし、先駆けであるPayPayポイント運用(*2)も1000万ユーザーを超えました。ユーザー獲得のスピードという意味では、国内の競合他社を大きく上回って成長しています。ただ、ここで満足するつもりは全くありません。 私は、日本の資産運用の構造を本気で変えたいと思っています。日本における資産運用はまだまだ富裕層向けのサービスの色が強いですが、老後2000万円問題に代表されるように、実は本当にやるべき人たちは、まだ資産運用を始めていない人、関心がない人ではないでしょうか。 NISAやインデックスファンドをきっかけに、一般の方向けにサービスが展開されつつありますが、日本は現預金1000兆円が眠っていると言われています。日銀の家計金融資産統計によると、アメリカは株式・投資信託等が平均で家計金融資産の50%超ですが、日本は約15%。一方で、現預金の割合は50%を超えています。金融リテラシーの問題が長く取り沙汰されていますが、このような市場に対して、PayPay証券はユーザーに沿った分かりやすい・使いやすいプロダクトで市場を開拓し、裾野を広げていきたい。どこよりもお客様に向き合っている証券会社でありたいと思っています。私個人の意見ですが、資産形成の本質は、お金を貯めて増やすことだけではなく、豊かな生活のために資産をうまく取り崩して使うこと、この両方だと思います。豊かさの定義は人それぞれ異なりますが、この一連の行為が簡単にできるプラットフォームは魅力的ですよね。 (*1) 「PayPay資産運用」は、PayPay証券が提供する「PayPay」内のミニアプリで、簡単に資産運用ができるサービス
(*2)ポイント運用は、PayPay証券の完全子会社であるPPSCインベストメントサービス株式会社が提供

「はじめての資産運用」の第一想起でありたい

今後は、はじめての資産運用はPayPay証券という第一想起をとっていきます。新しいNISA制度が恒久制度となり税制優遇が拡大されることで、今後5年から10年で、今の銀行口座のように、ほとんどの人が証券口座を保有し活用する時代が来ます。今は関心がない人も、PayPay証券をきっかけとして資産運用ができるようになり、豊かに暮らすことに貢献できたら、夢を実現することに繋がっていくなら、それは素晴らしいことだと思っています。

やりたいことはたくさんある。攻めと守りの両輪で業界初を生み出していく。

やりたいことが次々出てきます。勝つための戦術はたくさん考えているけれど、それを推進するためには攻めだけではなく守りを固める必要もあります。国内屈指の決済サービスであるPayPayのプラットフォームからの送客を拡大するためには、両輪を揃える必要があります。 資金移動業者が提供する電子マネーを活用して、決済アプリ上で資産運用サービスを提供するという業界初のサービスを生み出しましたが、今後も、様々なチャレンジをしていきたいと思っています。

PayPay証券のカルチャーを教えてください。

絶対に諦めないチームでいたい。

PayPay証券には様々なバックグラウンドの方がいますが、全員がオープンなコミュニケーションで意見を言い合える環境があります。私も、日々たくさんの意見をもらいますよ。 もうひとつ大事なカルチャーとして根付かせていきたいのは、「絶対に絶対に諦めない」文化です。新しいことをこの業界でやるには、それぐらいの覚悟がいるビジネスだと思っています。出来ない理由をあげればキリがない、それでも他がやっていないことを自分達はやっていくんだという覚悟です。PayPayが圧倒的なスピードで成長していく中で、PayPay証券も同じかもしくはそれ以上のスピードで成長していかなければならない。ひとつのアイデアがだめでも、二の矢・三の矢を考えて次々試す執念を持って挑むチームでいたいです。

大事なのは知識よりもマインド

私は、証券の知識や新規事業のノウハウはもちろん大切ですが、新しいビジネスを展開していくときは、チャレンジをするマインドが大切だと常々思っています。 その上で重要な要素が、まずはコミュニケーション能力。相手の立場に立った考えができ、説得できるコミュニケーションが取れること。次に謙虚であること。他者に敬意を払い、常に学ぶ姿勢でいること。そして、自信がある人。これまでの経験から、自己分析して自分の特徴を理解出来ていて、困難を乗り越えられる自信を持っていること。最後は、働くのが好きな人です。仕事を通じて、新しい価値観を得たり、自分自身の成長や成熟感を得たりすることを楽しめる方や、自分が頑張ったことが、自分の成長につながる、ビジネスのためになる、誰かのためになるという実感を持って働ける方は、PayPay証券で大いに活躍していただけると思います。 高い目標を目指して本気でやっていくPayPay証券のビジョンに共感していただける方に、ぜひ仲間になっていただきたいですね。前人未到の山に一緒に登る志を持った方をお待ちしています。